茂みの中の葉陰のように涼しく、そしておおらかに包まれた環境をデザインする。

敷地は、住宅と商業が入り交じった都心部にあり、都市のコンクリートジャングルの中で熱エネルギーが溜まっている環境にある。ここに、人工的な茂みをつくり、葉陰のように涼しく、隠れ家的な環境をつくり出す。まず、敷地を200枚のセラミックパネルのルーバーで覆い、影で包み込む。建物は、全てが水平要素でできており、床や階段、テーブル等が水平な板でつくられたスキップフロア状の空間となっている。これにより、各部屋は断面的に連続し、視線や風が立体的に抜けて行く。南側には、内部と連続した大きなステップ状のテラスを持っており、周辺の高い建物からプライバシーを柔らかく確保するために、無数の板状のルーバーで覆った半屋外のテラス空間になっている。冷却効果を持つこのルーバーによって、建物は一体的になり、葉陰の涼しさや木漏れ日の心地よさを伴う居住環境になる。この開放型の環境システムは、地域の熱の循環系に接続することで、自分だけを冷やすのではなく、周囲も冷却する。

data

所在地:福岡県福岡市

敷地面積:144.69㎡

建築面積:  87.63㎡

延床面積:126.32㎡

構造規模:木造2階

設計期間:2010.05 - 2011.02

工事期間:2011.03 - 2011.09

House

葉陰の段床 / 2011

末光弘和+末光陽子 / 株式会社SUEP.

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