住宅街の真ん中の350坪の広大な敷地に建つ平屋の住宅。周囲が低層住宅で、影がほとんど落ちないため、ここに、日射を制御する巨大な「簾(すだれ)」をかけて陰をつくり、涼しい場を作りだす事にした。
この巨大な「簾」でできた、涼しい陰の下に配置された5つのBOX状の建物は、はみ出したり、ズレたりしながら、その隙間に半屋外の空間をつくり出して行く。「簾」は、75mm角の地場産の杉の間伐材を市松状に配列し、PC鋼線を貫通させて、建物両端の壁柱から吊り込む事で、40mの大きなスパンを無柱で浮かべている。
この「簾」は、屋根面に降り注ぐ、50%の日射をカットし、光を取り入れながら、熱負荷を半減させる。一方で、季節毎の必要な日射は、簾に穴が空け、各部屋にトップライトを通して、取り込んでいる。
住宅地に浮かんだ巨大な「簾」は、重力がつくり出すカテナリーの懸垂曲線と残土でできたすり鉢状のランドスケープが丘に囲まれた谷地の地形と重なりながら、美しく住まいの佇まいをつくり出している。
data
所在地:山口県
敷地面積:1,308.53㎡
建築面積:235.2㎡
延床面積:235.2㎡
構造規模:木造平屋
House
二重屋根の家/ 2013
末光弘和+末光陽子 / 株式会社SUEP.
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