大きな樹木の周りに浮かぶ、風通しの良いバードハウスのような環境をデザインする。

閑静な住宅地に建つ豊かな庭を持つ住宅。昔の屋敷森であった名残として残る点在するの緑地は、周囲より2−3℃低い、地域のクールエネルギーのスポットとなっており、住宅地を流れる風によって顕在化されたネットワークに接続させるように庭と建物の配置を考えた。庭のシンボルである大きな椎の木の周りに、建物のボリュームを大小2つの木造ボックスに切り分け、RCの半地下ボリュームの上にそれらを浮かべている。ボックスはそれぞれをワンルーム的につくる事で、緑地でできた涼しいエネルギーを運ぶ風が、どちらから吹いても取り込めるように、開口部の取り方を考えた。森の中の巣箱を行き来する小鳥のように、ここに住む家族は、季節や時間の移ろいや自然のリズムと共に、2つの箱を行き来しながら暮らして行く。地域の風の循環系に接続し、運ばれて来る自然の豊かさを享受する家。

data

所在地:東京都世田谷区

敷地面積:183.20㎡

建築面積:109.05㎡

延床面積:203.99㎡

構造規模:木+RC造3階建

設計期間:2010.10 - 2011.12

工事期間:2011.12 - 2012.07

House

Birdy Terrace / 2012

末光弘和+末光陽子 / 株式会社SUEP.

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